Mar 21, 2003 (Fri)
the Allman Brothers Band
Beacon Theatre NYC
Set I
1. Done Somebody Wrong
2. Don't Keep Me Wonderin'
3. Ain't Wastin' Time No More
4. Forty-Four Blues
5. Midnight Rider
6. Trouble No More
7. Desdemona
8. Hot 'Lanta
9. Leave My Blues at Home
10. Change Is Gonna Come
with Horn Section
11. The Same Thing
with Horn Section
with Ritchie Morales, drums

Set II
12. Don't Want You No More >
13. It's Not My Cross To Bear
14. Statesboro Blues
15. Rocking Horse
16. No One To Run With
17. Dreams
18. Into The Mystic
with Horn Section
19. Southbound
with Horn Section
with Yonrico Scott, drums
20. Instrumental Illness
Encore
21. Layla

photo by kotechin@CCQ

Second Setの巻 1
さて、1stセットの混乱が終って、とりあえず、ビールを買いにロビーに出ました。すごい人混み。グレイトフル・デッドのコンサートなんかでよく聞かれるようなお祭りのような賑やかさはありません。みんなおしゃべりを楽しんでるって感じです。
セカンド・セットでは、僕たちもどうにか落ち着いて音楽を楽しめる場所を見つけなければなりません。
そうそうに会場に戻り、対策を考えます。
どこがいいかなぁ、、と言いつつ、前へ前へと進むうちに、なんと最前列(の隙間)。グレッグのオルガンの目の前。ただし、PAスピーカーの目の前でもあるのです。う〜ん、どうしよう。最前列は嬉しいけど、音がでかすぎるかもしれないね。でも、最前列だからいいか、などと贅沢な会話をしていると、また例の黒人のセキュリティがやってきました。
『私はこの会場のセキュリティですが、ここはあなた達の座席ですか?』
「ハイ。そうですよ。」(何も動じることなく返事はしたものの、もう完全に顔を覚えられているので嘘だと言うのは100%分かってるはず)
『私はこの会場のセキュリティですが、チケットを見せていただけますか?』
とたんに英語が分からないフリをしたのですが、やっぱりダメで結局席に戻されてしまいました。
(ちなみに席は前から10列目位の一番左の方でした。決して悪い席ではありません。)

ステージでは、黒人の戦前ブルース・マンのような映像が流れています。
以前はベティちゃんやトムとジェリーのようなアニメーション(これがまたおかしい)をやっていたように思いますが、今回は渋かったです。

そうこうするうちに、セカンド・セットの始まりです。
もうこうなってしまったら、この席で楽しむより仕方ないね、と開き直って楽しむことに。
さて、何から始まるか?
約10日間の最高だったアメリカ滞在の締めくくり。
気持ちはすごく高まります。

Don't Want You No More >
It's Not My Cross To Bear

そう、そうなんです!この始まり。これが聞きたかったんです!
ファースト・アルバムの1曲目の強烈さがよみがえります。
僕はこの曲から始まるのが一番好きなんです!
2ndセットの始まりがこの曲というのは、本当に嬉しかったです。
僕たちのためにこの曲でスタートしてくれたように感じました。
感動です。
そして、オールマン・ブラザース全体で作り出すグルーブにどんどん引き込まれて行きます。
曲のせいももちろんあるのでしょうが、1stセットの時とは、ノリというか、グルーブというか、エネルギーが違うように感じます。圧倒的な感じ。
周りの客のおしゃべりがどうとか、それどころではないテンションの高さ。
強力に引き込まれていきます。
グレッグの間が合ってから歌い出す、
I have not come, yeah, to testify....
(アァイ・ヘッナッカーム、イェ−!、、、)
そして2番のアタマ、
I sat down and wrote you a long letter
(サッダーン・ローチューアロングレター、、、)
っていうところがたまりません。
しびれました。
僕の一番好きなオールマン・ブラザースが幕を明けました。

周りの混雑、騒々しさはほとんど気にならなくなってきました。
と、思っていると、、、。

「ワン・ツー・ワン・ツー・スリー」
グレッグのカウントだけで分かります。
来ました!
Statesboro Blues
大感動。
スライドはデレクではなく、ウォーレンが弾いています。
バックのリズムが世界で一番気持ちいいシャッフルのリズムを刻みます。
その音がまたいいんです。なんというか、リッチな音です。
パーフェクトに感じました。
もう、どこにいるのか、もしかしたらフィルモア・イーストにまぎれこんでしまったのではないか、と思うような、理解を遥かに越えた気持ちです。
そして大合唱。
本当に血が騒ぎました。涙出る程嬉しかったです。
これ以上幸せな瞬間ってあるのかな。

この曲順。
なんだかんだ言っても、新曲もいいけど、これが聞けなきゃね、、、。
もう、すでに1stセットの分は充分取り戻しました。
実際、観客の混雑、混乱ぶりはほとんど気になりません。
もしかすると、ニューヨ−カー達にとって1stセットはパーティーに行くような感じで楽しんで、2ndから、ちゃんと音楽を楽しむのかな、なんて勝手に考えたりしました。(どうだかは分かりませんが、、)

続いてはGov't Muleの曲で、今回オールマンの新譜「Hittin' the Note」にも入っている
Rocking Horse
この曲のソロの部分で、「ロック」な熱いジャムに突入していくことは、これまでの音源を聞いて知っていたので、期待が高まります。ウォーレンが歌います。
今まで僕はいつも、他のバンドで活躍していても、どこかしら「(元)オールマン・ブラザースのウォーレン」という見方をしてしまっていましたが、最近のウォーレンはそれだけじゃないキャリアを持った超一流のギタリストなんですよね。ギターや歌にもオールマン以外の特にPhil & Friends(言ってみればGrateful Dead)からの影響も多く出てきて、より表情豊かになってきて、なんとなく初めて見るギタリストのような見方も出来なくはありません。とは言っても、とても身近ないつものウォーレンには変わりはないんですけどね。ウォーレンがいるととても安心します。デレクとジミ−・へリングでは、そうはいかないかな。しかし、随分と丸くなったもんですね、、、(体型が)。
そしてこの曲のウォーレンの歌はやっぱりGov't Muleを思い出させました。
ウォーレンのソロに続いて、デレクのスライド。
前半はわりと、間を持って弾いています。あぁ、こうゆう間の使い方って、デレク、上手いよなぁ、、。などと考えて(?)いると、どんどん、どんどんバンドのテンションが上がって行きます。
まだ、行くの?えっ、まだ行くの? えっ??まだ行くの??
もう、僕の理解は軽く簡単に越えてしまいます。
そんな感じの連続です。
楽しむと言うよりも、どこかに連れて行かれてしまっているような、アタマの中を埋め尽くされてしまっているような、「すごい」体験でした。

そして間髪をいれずに、Bo Didleyリズムのギターのイントロ。
えっ??もしかして、、、。
No One To Run With
もう、イントロからして涙出そうになりました。
本当に大好きな曲です。歌詞も全部覚えています。
97年に見た時も、この曲に泣かされた思い出もあります。
これは、本当にいい曲だなぁ。歌の内容も好きだし、リズムも最高。
しかし、グレッグは2番の歌詞を間違えました。(良いところなのにぃ、、、)
そして、また今年もやってくれました、ライトショウ。
デュアン・オールマン登場です!
デレクが弾く縦横無尽なスライドに合わせて、バックのライトショウに生前のデュアンの映像がながれます。これが、もう信じられないくらいに、デレクのスライド、そしてバンドの演奏にバッチリ、シンクロするんです。そして更にウォーレンの弾いている姿がリアルタイムで、デュアンが頭を揺らしながらギターを弾いている姿に重ねられるのです。もう、完璧です。あの状態でこれを見たら、誰でもがデュアンとウォーレンが弾いているという錯角に落ち入るでしょう。デレクのスライドも完璧でした。感動の瞬間。
そして、更に、Allen Woodyの姿が、、、。
これには、やられました、、、。
2000年の8月にニューヨークのホテルで、突然亡くなってしまったAllen。
僕は、アラン・ウッディーが本当に好きでした。リアル・タイムで接することのできたミュージシャンの中で一番好きだったかもしれません。Allenが死んでしまった時には本当に悲しかったです。
今のベースのOteilももちろん好きですが、僕にとっては、Allenは特別でした。なので、Oteilが素晴らしいベースを弾いていても、どこかで、Allenの音と姿を探してしまう気持ちが、いつもどこかにあったように思います。
それが、今、ステージのスクリーンでは、デュアンとウォーレンがギターを弾き、そして、ベースを持ったAllen Woodyがいます。
僕にとって、これ以上のことってあるでしょうか?
感動を通り越して、言葉もでません、、、。
デュアンは、動く映像(有名な70年のフィルモア・イーストのビデオ)でしたが、アランは写真でした。その写真がうねうねと動いたり、回転したりします。
アランはついこの前まで、僕たちの目の前で実際に演奏していたので、彼の弾いている姿は簡単に思い出すことができます。なので、ビデオではなくてあえて、写真でよかったんだと思います。
そして最後はアランの写真が渦巻きになって溶けていって、この曲は終りました。
デュアン・オールマン、アラン・ウッディー。そしてオールマン・ブラザース、最高!!


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