Mar 21, 2003 (Fri)
the Allman Brothers Band
Beacon Theatre NYC
Set I
1. Done Somebody Wrong
2. Don't Keep Me Wonderin'
3. Ain't Wastin' Time No More
4. Forty-Four Blues
5. Midnight Rider
6. Trouble No More
7. Desdemona
8. Hot 'Lanta
9. Leave My Blues at Home
10. Change Is Gonna Come
with Horn Section
11. The Same Thing
with Horn Section
with Ritchie Morales, drums

Set II
12. Don't Want You No More >
13. It's Not My Cross To Bear
14. Statesboro Blues
15. Rocking Horse
16. No One To Run With
17. Dreams
18. Into The Mystic
with Horn Section
19. Southbound
with Horn Section
with Yonrico Scott, drums
20. Instrumental Illness
Encore
21. Layla

Horn Section: Richard Bulger, trumpet; Christopher Karlic, baritone sax; Jay Collins, tenor sax

First Setの巻
さて、前日につづいて、同じくBeacon Theatreです。
ビーコンの前にはすでにたくさんのファンが集まっています。
やはり週末の金曜日ということもあってか、前日と比べてファンの数もノリもちょっと違います。
「ロック度」の高い人が多く、なんかとても盛り上がりそうな感じです。
Will Callのチケットを3枚もらって、無事入場。
特に今日は誰とも待ち合わせていなかったので、会場の中で6.5ドルもするビールを買って、自分達の座席のあたりからビーコンの美しい内装を眺めながら飲みました。なんて美しいんだろう。
会場の中も今日はすごい熱気と盛り上がりです。テーパーのマイク・スタンドも昨日より随分多い感じがしました。
ステージの上ではホーンセクションが簡単なサウンド・チェックをしています。
今日はゲスト有り、ということですね。
ホーン入りでは、2001年頃にオーティス・レディングの「I've Been Lovin' You Too Long」をウォーレンのボーカルでやっていたのが好きだったので、こんな曲を聞けたらいいなって思いました。
昨日は、有名曲のオンパレードというよりは、渋い選曲で実に丁寧な、「聞かせる」演奏をしていたので、きっと今日は、Statesboro BluesとかOne Way Outみたいな曲に象徴されるようなショウになるだろうと想像していました。

そんなこんなしていると、あっという間に会場は暗転。もしかすると開演時間の20:30より早かったんじゃないかな?
会場はものすごい盛り上がり。会場全体に歓声が響きわたって、それがどんどん、どんどんおもしろいように大きくなっていきます。歓声で会場がうめつくされるよう。Statesboro BluesかDon't Want You No Moreが来そうな予感。(と、いうか期待。)

いきなりDone Somebody Wrong
渋い始まりです。「おぉ〜、かっこい〜〜」って感じでしたが、興奮して細かいことまでは覚えていません。落ち着く前に終ってしまったような感じでした。デレクのスライドが会場中に、そして頭の中に響きわたってました。脳みそ直撃です。

続けて、Don't Keep Me Wonderin'
イントロの「ウィ〜イ〜〜ン・ウィ〜ン」っていうデレクとウォーレンのユニゾンの音がバッチリで感動。「来た〜!!」って感じです。
演奏がまたタイトで素晴らしい。またグレッグの歌がすごく力強くて頼もしかったです。グレッグの雰囲気が以前とは変わったように感じました。以前のような永遠のロック・スターのような、「うわぁ〜、すげ〜、グレッグだ〜〜!!」っていう感じではなく、ただ、素直に歌と演奏に集中している1人のミュージシャンという印象をずっと受けました。

2曲続けてフィルモアのアルバム(fillmore concert)に入っていた曲です。
会場の盛り上がりもすごく、今日は何か特別な日になりそうだ、という予感。
確かに音楽も聞いているし、細かいフレーズまでも聞いてるつもりなんですが、音圧と会場と観客の圧倒的な存在感で、頭の理解をすでに越えつつあります。細かいことを考えたり、分析したりすることが出来なくなってきました。もう、ただただその場のその音と瞬間に身を任せるだけ、という感じです。もっと記憶に残しておかなきゃ、とか、ギターソロを細かくチェックしてみよう、とセコいことを思っても無理でした。
完全に飲み込まれてしまったようでした。

そして、次もまた古くからの曲、Ain't Wastin' Time No More
イントロのグレッグのピアノの音に感動。
グレッグのLaid Back Voice。確かに年はとってしまったけれど、でも70年代以降、一番いい声をしているのではないかと思うくらいに深みのある、僕たちが大好きなグレッグのボーカルでした。本当に渋い人です。
デレクの伸びやかなスライドもとてもとても「刺激的」でした。生で聞いていると頭の中をかき混ぜられているようです。デレクのあのアタック音は強力です。この曲は元々デュアンは弾いていないけれど、でもデレクのスライドは本当にデュアンを彷佛とさせます。やっぱり、こうゆうスライドを弾かせたら今では世界一なんでしょうね。
そうそう、前日に会ったKnottsも「デレクは本当にデュアンの生まれかわりのようだ。年もあの頃のデュアンと同じくらいだし、ギターを弾いている姿もそっくりだよ。それに、眼をつむったらまるでデュアンが弾いてるみたいだろ!」と話してくれましたっけ。確かにすごい。すごすぎる、と言ってもいいくらいです。

後半のソロはウォーレンがスライドをやっていたかな。デレクと比べると音に甘みがあります。トゲトゲしていない、というか、僕に馴染みのある90年代のオールマン・ブラザースのスライドの音に感じました。やっぱりデレクより年季が入ってるような気もしました。

次はゆったりとしたブルース。「あれ、この曲なんだっけなぁ、、。クラプトンがBluesbreakersのアルバムで同じリフを弾いてる曲があったけど、、、。」ウォーレンが歌います。
Forty-Four Blues 。このなんとも言えないリズムがものすごく気持ちいいです。そしてライトショウにはニューヨーク・マンハッタンの景色。これには感動しました。「そうかぁ、、今、ニューヨークにいるんだっけ、、、」ってしみじみと感激。そしてまたそのマンハッタンの映像が「いい感じ」に「トロ〜〜ン」「ビヨ〜〜ン」と伸びたり回ったり下がったり、上がったり、、。もう、最高!! さすが、オールマン。見に来た甲斐があったよ、って改めて感動しました。日本に戻ってきた今でも、この曲はものすごく印象に残っています。上手く説明できないんですが、この感じ。このリズムとこのライトショウ。本当にバッチリでした。

そして次は、Midnight Rider
前日もやっていました。初期の頃のままのアレンジに戻りました。みんな大合唱です。大合唱!
もちろん僕らも大合唱!
この曲は僕らもよくバンドでやっているんですが、コーラスをするときに一番はじめの
I've got to run to keep from hidingっていうところを、僕はいつもkeep from ridingと間違えてしまうのですが、この時も大声で「riding」と歌ってしまいました、、、。失敗、、、。

つづいて、とてもとても馴染みのあるドラムのリズムから Trouble No More
えっ、まだこんなヒット曲集が続いてしまっていいの?って感じです。
聞いている僕たちも休む暇がありません。と、思っていると、会場の中では、おしゃべりを始める人、外に出て、おそらくビールでも買いに行く人。もっと前の方で見ようと通路を歩いていく人。この曲のあたりから、途端に会場の中に落ち着きがなくなってきました。僕らはちょうど通路の席で、人の通りが多すぎて、だんだん集中できなくなってきました。しかも僕らの前で立ち止まって大声で話したり、だんだんひどくなってきます。一応セキュリティの黒人の人が席に戻るように言うのですが、次から次へと人が流れてキリがありません。そして、大声の話声。
なんだか分からないうちに曲は終ってしまいました、、、。

つづく新曲のDesdemona
会場内の混乱、混雑、そして大声のおしゃべりはさらに悪化しいきます。これがアメリカ人の楽しみ方なの??せっかくオールマン・ブラザースが素晴らしい演奏をしているのに、ただのパーティーのような感じで友達とやってきて、音楽をBGMにおしゃべりをするためにわざわざ80ドルも払って来てる訳?僕らは音楽を楽しみにわざわざ日本から来てるんだぜ。まったく、このアメリカ人たちはいったい何を考えてるんだよ!
だんだん腹が立ってきましたが、でもここはマンハッタン。僕たちの方がよそものなんだから、仕方ないのかな。演奏してるオールマンのメンバー達は嫌がっていないのかな、、、。
仕方ないので僕たちも落ち着いて見えるところを探そうと思っても、結局セキュリティに席に戻れと言われてダメでした。演奏はすごく白熱しているようです、、、。

そうこうしてるうちに曲は終ってしまい、つづいては、Hot 'Lanta
デレクのソロのスケールがおもしろかったのを覚えています。彼等が目の前でHot Lantaを演奏している、という事に感動していました。
しかし、
周りの混乱のせいで20%位しか楽しめなかったような気がします。僕らもどうにか落ち着いた所をさがそうと席から動くと、また黒人のでかいセキュリティが戻れと言うし、、。
何度もそんなことを繰り返すうちにさすがに頭にきて、そのセキュリティに「そんなこと言うんだったら、僕らに言う前に、こんなところで立ち止まって話ししているこいつらを追い出してくれよ!!」と怒りをぶつけてしまいました。彼は「しょうがないなぁ、、」って顔をしながら何も言わずに黙ってましたけど、、。

もう、どうしようもないので開き直るしかありません、、。怒るのはもうやめて、気にしないようにしよう。
うるさすぎて、そうもいかないんだけど、、。

つづいて、
あっ!
Leave My Blues at Home だ!!
でも、周りの混乱のせいでほとんど覚えていない、、、、。残念、、、。

続いて、ホーンセクションが出てきて準備しています。
えっ、まだファースト・セットが続くの??てっきりこれで終わりだと思っていました。
時間的にはそろそろ休憩に入る頃のはず。

さて、何が始まるんだろう。ファースト・セットの最後にSouth Boundあたりがくるかな、と考えていました。
グレッグが静かに「初めてやる曲」だと言って、イントロ無しで「I was born by the river.....」と歌いはじめるではないですか!うわぁ〜、サム・クックの
Change Is Gonna Comeだ!
個人的に大好きな曲だし、グレッグのボーカールが、、、。感動です。オールマン・ブラザースを見ているというよりも、とにかくグレッグでした。ホーンセクションもいい味付けをしています。本当に今年のグレッグは今までと何かが違うように感じました。
どの曲だったかは、忘れましたが、何曲かでは、メガネをかけて歌っていました。ルックスとかよりも、とにかく歌をきちんと、最高に歌うということに集中しているようでした。それでもかっこいいんです。グレッグ、最高です!

さて、そろそろさすがに休憩だろうと思っていると、なんと、The Same Thing
ホーンセクションも残ったままです。イントロからホーンが入って、そこに、3大キング(BB、フレディー、アルバート)あたりを意識したようなウォーレンのブルース・ギターが重なります。オテイルのベースもさすが、いい感じでした。そう言えば、この日、この人のベースを意識したのはこの曲が初めてだったかもしれません。ホーンもソロを回して、ブルース・ジャム・セッション大会です。長くタイトな演奏でした。ウォーレンがリードしているように感じました。

そして、ようやく長かったファースト・セットが終了です。
演奏は間違いなく素晴らしいのに、特に後半は落ち着きのない雰囲気のせいで、存分に楽しむことが出来なくて残念でした。

セカンド・セットは対処を考えなくては、、、。

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